女優泉ピン子(74)主演の朗読劇「泉ピン子のすぐ死ぬんだから」(東京・池袋あうるすぽっと、8月4~14日)の会見とトークショーが2日、都内で行われた。朗読劇はピン子と村田雄浩(62)だけの出演で、原作者の内館牧子氏が出席した。

トークショーはピン子の毒舌が全開だった。今回の朗読劇こそ「昔から朗読劇をやりたかった。今回の作品は女優人生の集大成にしたい」と前向きに語ったが、最近のテレビについては「テレビは予算がないでしょ。だからギャラの安い人ばかり出て、知らない人ばかり出ている。私みたいなババアは、出るとこないのよ。だから、今回の話はうれしかった」。

親しかった脚本家の橋田寿賀子さんに誘われ、熱海に移住したといい「お墓も熱海に作りました。だんなは入れてやろうと思うけど。今の楽しみは犬の散歩なので、犬の骨を私の遺骨の中に入れてといってあるんです」と告白した。

トークは昔の夫の不倫騒動にまで及び、「(夫は)東京の病院勤務なので、東京に住んでいます。1週間に1度会うくらい。もう友だちみたいなもんですね。結婚なんて、ある意味お手伝いさん。だって、主婦なんてセックス付きのお手伝いさん、みたいなもんでしょ。時間かけて料理を作っても、食べるのは15分ですから」と毒舌は止まらなかった。

それでも、橋田さんの話になると神妙なトーンだった。「私が明治座の舞台に出ているとき、差し入れを送ってくださった。その時の手紙の文字が斜めで。それまで便箋にきれいな文字をつづっていた先生だったのに。それで、もう死期が近いことを悟りました」。橋田さんの最期も「私が足をさすって。最後に私の顔みて息を引き取りました。死に化粧もできました」としんみり話したが「葬儀費用は35万円。私は自分の父の葬儀の時に、豪華な100万円のひつぎにしたけど、上に布をかけるから豪華さがわからない。骨つぼも大理石にしたけど、喪主だから重くて重くて」と笑わせた。

内舘さんは橋田さんの資料整理などを手伝っており、ピン子とは橋田さんを介しての出会いだったという。ピン子いわく「うちの子も売れたのよ」と自分の娘のように、内舘さんの活躍を喜んでいたという。

その内舘さんも「人は見た目でなく中身だっていうでしょ。でも、そういう人ほど中身がないんです。今回の小説のテーマは人間は男も女も見た目に気を付けたい。中身よりまずは外見がテーマ。外見に手をかけないのは、セルフネグレクトなんです」と辛口トークだった。