2007年(平19)に解散した兄弟デュオ狩人が、再結成することが18日、分かった。NHKが東京・渋谷区の同局で行った定例放送総局長会見で、2人がそろって8月18日放送のNHK「第44回思い出のメロディー」(午後7時30分)に出演し、活動を再開することを発表した。

 会見では司会者、出演者、曲名が発表された。そのリストには「狩人

 あずさ2号」と記されていた。その上で、番組担当者は「リクエストが多く、再結成の可能性もあると聞いていたのでオファーをしたら出演を了承された。一夜限りの再結成ではありません」と説明した。

 狩人は77年のデビュー当時から、ともにソロ活動への意欲が強く、考え方の違いが多々見られた。仕事の直前まで口論するなど、兄弟げんかも絶えなかったという。そして、デビュー30年の07年に解散。別々に歌手活動を始めた。

 だが、昨年から兄久仁彦(55)と弟高道(52)は所属事務所主催のコンサートにはそろって出演するようになった。ステージでは個別に歌っていたが、今年のコンサートでは1曲だけ一緒に歌ったところ、ファンは大喜び。2人で「ファンの思いに答えるために再結成した方がいいのでは」と思うようになったという。

 東日本大震災もきっかけになった。狩人として06年に発売した最後のシングル「磐越西線」は、福島県を歌った曲で、同県で人気だったが、震災後も同曲を歌えず、所属事務所関係者は「福島県を勇気づけたくとも歌えないもどかしさをともに感じていた。再結成し、福島を応援したい強い気持ちが2人を結びつけたようだ」と説明した。

 兄久仁彦は10年11月から「加藤久仁彦&トップギャラン」のリードボーカルも務めている。今後、2人は個別の歌手活動もこなしながら狩人として活動していく。

 ◆狩人(かりゅうど)

 兄加藤久仁彦と弟加藤高道による兄弟デュオ。77年3月発売の「あずさ2号」でデビュー。同年の日本レコード大賞などで新人賞を受賞。同年と翌78年にNHK紅白歌合戦に出場。他のヒット曲は「コスモス街道」「若き旅人」など。