女優前田敦子(21)、香港の俳優トニー・レオン(50)、松田翔太(27)が出演予定だった日中合作映画「一九〇五」(黒沢清監督)が、製作会社の倒産で製作中止に追い込まれたことが25日、分かった。製作会社プレノン・アッシュが20日に、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。

 映画は昨年11月にクランクイン予定だったが、尖閣諸島問題で日中間の緊張感が高まったことで、中国国内で現地俳優の出演が問題視された。製作がストップしたままで、同社は資金繰りが苦しくなり倒産。負債は6億4300万円に上った。

 「一九〇五」は、プレノン・アッシュと松竹が共同配給し、ベネチア国際映画祭への出品も目指していた。ただ、松竹は配給協力という立場で製作出資は行っておらず、プレノン・アッシュの倒産により頓挫を余儀なくされた。松竹の秋元一孝映像部門担当取締役は「大きな期待が寄せられていた作品が製作中止となり、残念です」とのコメントを発表した。

 [2013年2月26日8時7分

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