アジア大会の決勝で負けたのは選手や森保監督だけじゃない。韓国サッカー界の努力に、日本サッカー界が負けたんだ。韓国はトットナムFW孫興民らを招集して最強布陣を目指した。個の力の差は明らか。日本の選手は一生懸命やったと思うけど、内容は完敗だ。5、6点取られててもおかしくなかった。

日本は相変わらず、1つのJクラブからは1人しか招集できないと制限されているし、欧州組を招集する努力もなく、監督が本当に呼びたい選手が呼べない。なぜ日本協会がJリーグ側を説得しないのか? 森保監督がオリンピック代表とA代表の兼任となって「オールジャパン」というけれど、これでは「ねじれジャパン」だ。

もともとJリーグは代表を強化するために生まれたはずだ。それを忘れて今は強化よりも興行優先? 2、3人の選手がいなくなったら勝てない、お客も集まらないというのか? むしろA代表、年代別代表に多くの選手が選ばれることが、クラブのステータス、誇りになるべきだろう。

1次リーグで日本に勝ったベトナム、韓国に勝ったマレーシアも国ぐるみで強化している。日本は若手育成が急務と言いながら、組織の未熟さがそれを阻んでいる。(日刊スポーツ評論家)