サッカー現場発

札幌野々村社長、経営とともに際立つ選手への気遣い

北海道コンサドーレ札幌・野々村芳和社長(47)のマネジメント能力には驚かされる。クラブOB社長は13年の就任後、右肩上がりの成長を見せるクラブ経営面の手腕もさることながら、チームや選手への気遣いにも優れる。

札幌の野々村芳和社長(2019年10月26日撮影)
札幌の野々村芳和社長(2019年10月26日撮影)

クラブ初の準優勝だったルヴァン杯。今季の同大会中での出来事だ。ベンチ入り予定だったある選手が集合時間を守れなかったため、ベンチから外されたことがあった。そこで社長が動いた。主将のMF宮沢やベテランGK菅野に本人との話し合いの場を設けさせ、2選手に「ベンチに入れてもらい、試合に出て欲しいと思うなら、そうミシャに話をしてみろ」と、ペトロビッチ監督に掛け合ってみるようアドバイスした。監督は決定を覆すことはしなかったが、「それはそれでいいし、すごいことだと思う。そこに戦力的マイナスはあっても、クラブの雰囲気としては多分良くなる」と確信した。

「チームメートがこれだけ自分のことを思ってくれているんだと思い、このチームで頑張ろうと思えるはず」。野々村社長は、その遅刻した選手の心情、チームの雰囲気づくりを考えていた。決勝まで駒を進めるまでのプロセスに、社長の奮闘もあったのだ。

「サッカーの現場とは違うところで、いい空気をどう作るかっていうのはすごく大事だと思っている。クラブにマイナスな出来事があった時には、しっかりプラスに変えてから大事な勝負に挑みたいと思う。そういう作業はしてきた」と、ピッチの外からできる限りのサポートをする。それを「勝負ごととか成功するのに大事なことは、雰囲気とかクラブの空気感にあると思って仕事をしている。願掛けに近いのかもしれないけど」と言う。

赤と黒のデザインのケースに入ったスマートフォンを手にして「試合に入ったら祈るしかないからさ。これも験担ぎみたいなもの」と笑う社長の愛の深さで、クラブはさらに大きくなるだろうと感じた。【保坂果那】

◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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