越えなければいけない大きな壁がある。なでしこリーグ4位の仙台レディースは明日8日、アウェーで勝ち点3差の首位日テレと対戦する。過去の公式戦8試合は1分け7敗。1度も勝ったことはないが、徐々に実力差は縮まっている。チームが今季の目標に掲げる初優勝は、天敵に勝たない限り見えてこない。大一番と捉える一戦に向け、6日は仙台市内で調整した。

 悲壮感はまったくない。期待を大きく膨らますだけだ。9日間で3試合をこなす過密日程の最後は日テレ戦。千葉泰伸監督(45)が、明るい表情で言った。「そろそろやってくれますよ」。分厚い壁を仙台Lが破る時が来た。

 なでしこリーグに昇格した13年から、完敗を繰り返してきた。千葉監督は「組織で守っても、最後は個の力でやられてしまう」と日テレの実力を認めるが、手応えをつかみ始めたのが昨年だった。5月のホーム戦で0-0と初めて負けなかった。2-5と敗れた9月のアウェー戦は、1-1から一時勝ち越した。「1試合1試合やれている部分はある。それをポジティブに考えたい」と同監督。実力差は以前より小さくなっている。

 3月の沖縄キャンプで、日テレと練習試合を行った。0-2の後半残り11分から有町紗央里(27)が2得点、井上綾香(21)は決勝点と、FW2人で逆転した。公式戦ではないが、主将のMF嘉数飛鳥(27)は「逆転で勝ったのは自信になった。勝てない相手じゃない」と苦手意識はもう消えた。千葉監督はミーティングで「(日テレ)ベレーザだからといって、特別な感情を持たなくていい」と、平常心を促している。

 日テレのボール保持の時間が多いことが予想されるが、千葉監督は「しっかりスペースを消して全員で守備」と、堅守に勝機を見いだす。嘉数主将は「最後まで走るのが私たちのスタイル。そこはやり続けたい」と言った。攻撃は少ない得点チャンスを、しっかり決め切ることが鍵になる。

 なでしこジャパンMF川村優理(26)が「勝たないと優勝は近づかない」と話すほど、チームにとっての大一番。リーグ戦はまだ11試合を残すが、今季の命運を左右するともいえる一戦が、早くも訪れた。【久野朗】