リオデジャネイロ五輪の24歳以上のオーバーエージ(OA)枠候補に入っていることが判明した川崎FのFW大久保嘉人(33)が、五輪出場に前向きな姿勢を示した。

 柏戦で自身のJ1最多得点記録を更新する163点目を挙げるなど、1得点1アシストで3-1の勝利に貢献。試合後、「得点王は3回取っている。それより、日本のためにという思いはある」と、04年アテネ大会以来となる大舞台へ、強い思いを口にした。

 五輪OA枠の候補に入った大久保が格の違いを見せつけた。後半7分、DFの背後をすり抜けてゴール前に走り込むと、DFエウシーニョの右クロスを頭でズドン。リーグ5戦連続完封と波に乗っていた柏の守備陣を翻弄(ほんろう)する動きだしでマークを外し、今季7点目を決めた。J1通算最多得点記録を163に更新し「日本のエースストライカー」の本領を存分に発揮した。

 日本協会からのOA枠候補の打診については「実際どうか分かんないですけど…。まあ、そういう話が来ればね、日本のためにという思いはある。それしか言えないです。言ったら怒られます」と慎重に言葉を選んだが、コメントには意欲がにじみ出た。仮に五輪出場が決まれば、リーグ戦は最大5試合に出場できなくなる。射程圏に入っている「4年連続得点王」の達成が難しくなるが、大久保は「得点王は3回とってますから。それより、大きな大会に出られるというのはいいことだし、日本のためにという思いがある」とキッパリと話した。

 川崎F移籍1年目の31歳で初めて得点王を獲得した。体のあちこちに痛みを抱えながらも「いつサッカーができなくなるか分からん。休むのは嫌」と、痛みをおしてピッチに立ち、得点を積み重ねてきた。2年連続で母の日にゴールを決め、「元気な体に産んでくれたこと、ここまで活躍できる体に育ててくれたことを感謝したい」と話した。

 04年アテネ五輪は3戦2得点。08年の北京五輪は、所属していた神戸のチーム事情で、日本協会から正式要請を受けたOAでの出場はかなわなかった。結果を出し続けてきたことで、33歳で再び巡ってきた大きなチャンス。再び、日の丸を背負って戦うイメージはできている。【岩田千代巳】

 ◆オーバーエージ(OA)枠 五輪本大会の男子サッカーは23歳以下の選手が原則だが、96年アトランタ大会から24歳以上も3人まで登録できるようになった。今回はブラジル代表で24歳FWネイマールもOA枠で出場が内定。女子は年齢制限がない。

 ◆手倉森ジャパンのOA枠 五輪出場権を獲得後の2月、24歳以上のOA枠を活用する方針を固め、人選に着手した。本大会メンバー18人のうち3人まで登録可能で、6月10日の五輪派遣手続き締め切りまで日本協会がクラブと調整を重ねる。これまでケルンFW大迫、ハノーバーMF清武らの名が挙がり、4月15日には手倉森監督が本田、香川も「頭の中にある」と候補と認めた。長友らの招集の可能性も探る一方、国内では大久保への打診が判明。Jの1クラブから招集できるのはOAも含めて3人。