首位川崎Fが横浜に2-0で快勝し、初のタイトル獲得に前進した。1-0の後半34分、FW大久保嘉人(34)がPKでJ1通算最多を更新する166点目を決めた。守備ではクラブのJ1記録に並ぶ3試合連続の無失点。リーグトップの攻撃力に堅守が加わり、クラブ創設20周年での初優勝が手が届くところまできた。

 川崎Fがタイトルにまた1歩前進した。前半27分、MFエドゥアルド・ネットのミドル弾で先制すると、横浜は後半からギアを上げて攻め込んできた。それでも最後はDF谷口、エドゥアルドが体を投げ出してシュートをブロック。セットプレーを得意とする横浜に7本ものCKを与えたが、粘り強く守りきった。

 終わってみれば3試合連続無失点。今季はリーグトップクラスの攻撃力を維持しつつ、失点は1試合平均0・87(昨季は1・41点)と安定している。主将のMF中村は「決定機をつくられるのは仕方ないけど、最後はブロックできていたし、それ(失点)を防げたのは大きい。結果が全て、今日はこれ以上望まなくていい」と振り返った。

 開幕前、中村がタイトル獲得に向けて掲げた言葉は「我慢」だった。昨季までは圧倒的に押し込みながら、数少ないピンチに失点し頂点に届かなかった。その反省から「我慢しないといけない時間帯に、全員がそれを感じ取っていかにゼロで抑えるかがカギ」と、意思統一を図ってきた。この日も「最後は絶対にやらせない」と気持ちを1つにゴールを割らせなかった。

 4日には選手会長のDF登里が音頭を取って、大久保の誕生日会を兼ねた焼き肉での食事会を開いた。大いに盛り上がり一体感は増した。昨季までの川崎Fではない。中村は「最近、『去年までは勝ちきれないとか、守りきれなかった』という質問がすごく多い」と苦笑し「それをうっちゃって勝ち点3を取ってる。もうしっかり自信をつけている」と胸を張った。

 あと2試合。09年には終盤に、既にJ2降格が決まった大分に敗れて優勝を逃した苦い経験がある。次節は最下位福岡戦。FW小林は「僕たちは下位相手に取りこぼすチーム。同じ過ちを繰り返したくない。しっかり準備していく」と気を引き締めた。【岩田千代巳】

 ◆第1ステージ優勝の行方 優勝の可能性は首位川崎F、2位鹿島、3位浦和の3チームに絞られた。この3チームの第1ステージの直接対決はすでに終了しており、自力優勝の可能性は川崎Fのみとなった。川崎Fは残り2試合に全勝すると勝ち点40。鹿島は残り2試合全勝で同39、4試合を残す浦和も全勝しても同39となり、川崎Fを抜くことはできない。川崎Fの最短優勝は18日の第16節福岡戦。そこで川崎Fが○、鹿島が同神戸戦に●、浦和が未消化となっている15日の第10節G大阪戦と18日の第16節広島戦の2試合で勝ち点4(1勝1分け)以上を獲得できなければ、最終節を残して川崎Fの優勝が決まる。

 ◆09年の川崎FのV逸 川崎Fが首位、鹿島が勝ち点1差の2位につけて残り5試合に突入。5戦全勝の鹿島に対し、川崎Fは4勝1敗で、勝ち点2差で優勝を逃した。11月22日のアウェー大分戦で0-1で敗れたのが響いた。当時も在籍しているのはDF井川、登里、MF中村、田坂ら。