ジュビロ磐田が大きな勝ち点3を積み上げた。敵地で浦和レッズに4-2。途中出場のMF松浦拓弥(28)が、2-2で迎えた後半29分に勝ち越し点を決め、同35分には決定的な4点目を決めた。コンディションの低下から先発を外れながらも、途中出場から期待に応え、チームに今季2度目の連勝をもたらした。

 歓喜の中心にMF松浦がいた。勝利を告げる笛が鳴り響くと、FW川又堅碁(27)が、DF大井健太郎(33)がヒーローを笑顔でたたえた。アウェー側スタンドに陣取った磐田サポーターは、大きな「マツウラ」コールを繰り返した。

 後半23分、MF松井大輔(36)に代わってピッチに立った。前日17日、「チームの勝利が最優先。そのために、前への推進力を出したい」と語っていた通り、果敢に浦和ゴールに向かった。2-2で迎えた同29分、MFアダイウトン(26)とのワンツーから左足で値千金の勝ち越し点を決めた。同35分にもアダイウトンのスルーパスに抜け出し、右足で2点目をマーク。勝負を決めた。「点を取りたい時に取れました。うまく入って良かったです」。

 復活を示す2発だった。松浦は今季、5節清水エスパルス戦から先発を勝ち取るも、11節川崎フロンターレ戦を最後に先発を外れていた。今月4日の前節ガンバ大阪ではベンチ外。コンディションの低下が理由だった。その状況下、名波浩監督(44)の言葉に耳を傾け、自らと向かい合った。全体練習後の走り込み、映像で自身のプレーも省みた。「前を向ける場面で安全なプレーを選択したり、消極的になっていた」。そして、結果を残し、指揮官に「愛情からメンバーを外したり、いろいろしたけど、よくはね返してくれたと思う」と言わしめた。

 大黒柱の中村俊輔(38)を欠きながら、観客3万4766人のアウェーで大きな勝ち点3。8節の鹿島アントラーズ戦、前節のG大阪戦に続き強敵に勝利した事実も大きい。15節を終えて勝ち点22は、昨季の20を上回る。残り2試合でリーグ前半戦は終了。名波監督は「4連勝で締めるぞ」と選手に呼びかけた。【前田和哉】