アスルクラロ沼津が、開幕2連勝を飾った。ホーム開幕戦でグルージャ盛岡に1-0。前半43分にFW青木翔大(27)がゴール前のこぼれ球を左足で押し込み、先制点。10番を背負うエースの今季初ゴールを守り抜き、2試合連続完封勝利を収めた。この勢いで、中3日のアウェーSC相模原戦で3連勝を狙う。

 体が自然に反応した。前半43分、味方が放ったシュートがポストに当たると、青木の体がいち早く動いた。「こぼれ球は練習から常に狙っていました」。目の前に来たボールを左足で合わせて先制点。待望の今季1号だ。「頭が真っ白でどっちの足かも覚えていないです。ワンチャンスをものにできて良かったです」。

 東京U23との開幕戦は3-0で快勝だったが、青木自身は無得点で不完全燃焼だった。FW坂本修佑(24)ら新加入選手が結果を残したことで危機感もあった。「スタメン争いが激しくなりました」。だからこそ、結果が欲しかった。

 試合に向けた調整では、全体練習後に居残りでシュートを打ち込み、PK練習も重ねた。「今年は2桁得点を狙っていきたいので」。昨季チーム最多の19ゴールを挙げたFW薗田卓馬(24)は、J2徳島に移籍した。薗田と2トップを組んでいた青木は昨季6得点だったが、今季は自身でゴールを積み上げる決意に満ちている。

 守備陣も開幕から2試合連続無失点。新加入GK牲川歩見(23)は「180分間無失点は自信になります」と胸を張った。昨季は、勝てば優勝の可能性があった最終節で栃木と引き分け、3位で終了。雪辱を誓うJ3参入2年目の今季も、リーグ制覇を目指している。「このまま勝ち続けていきたいです」と青木。中3日の21日には、アウェーで相模原と対する。J2ライセンス取得の問題については、クラブ側と行政の動きを信じるしかない。選手たちは、ピッチで結果を残すのみだ。【神谷亮磨】