FC町田ゼルビアMF平戸太貴(21)が、ツエーゲン金沢戦の前半43分に値千金の決勝弾を決め、チームを勝利に導くとともに成長と進化を見せた。

 前半43分、DF下坂晃城(24)が金沢FW佐藤洸一にプレスをかけると、慌てた佐藤のパスが下坂に当たって転がった、平戸はこぼれ球を見るやいなや、自陣に戻ろうとした体を相手ゴールに再度、反転してボールを拾った。DF2人がシュートブロックに入り、その先にDF4人が壁を作ろうとしていたが「いいところにこぼれてきた。シュートのイメージがあって、シュートコースも見えたので」と迷わず振り抜いた左足の先で、シュートはゴール左隅に突き刺さった。4月28日の大分トリニータ戦以来、約3カ月ぶりの今季3点目に「思い切り振ったら、狙い通り入った」と笑みを浮かべた。

 J1鹿島アントラーズの下部組織から、16年にトップチームに昇格し、17年に町田に期限付き移籍した。J2リーグ戦26試合に出場して3得点を決めると、移籍期間を延長して今季も町田でプレーを続ける道を選んだ。戦う部分、ボールを奪う守備を課題とし、その上で「点に絡むことを求める」ところに取り組んでいる。「課題に取り組みながらチームのやるべきことを整理して、自分の特徴も出せている。成長を感じる部分はあります」と、自らの選択が正しかったと実感している。

 一方で、鹿島とホームで戦った11日の天皇杯3回戦では、フル出場したものの1-5と大敗。「技術、最後の精度の部分で違いを見せられた。そういう部分で、チームも個人も成長しなければいけない。自分は今日、点を取った部分を意識して、決めるところを決めきれば(鹿島のレベルに)たどり着ける。追いつき、追い越さないといけない。感じたことを忘れずに取り組みたい」と巻き返しを誓った。

 視線の先には、20年東京オリンピックがある。「自分たちは東京五輪世代…まず、そこを目指したい。ワールドカップを見て、将来的に代表として、ワールドカップのピッチで戦いたい。代表を意識しながらやっていきます」。平戸は今後も、東京五輪を目指して戦い続ける。【村上幸将】