「Wたくま」の活躍で、ベガルタ仙台がアウェーで柏レイソルを2-0で下し、4戦ぶりの白星を挙げた。0-0で迎えた後半14分、MF奥埜博亮(28)がFW阿部拓馬(30)からのクロスをヘッドでゴールに流し込み、今季2点目となる先制ゴール。同35分には、途中出場のFW西村拓真(21)が今季日本人得点ランク2位タイとなる9ゴール目でダメを押し、粘る相手を突き放した。順位は暫定8位に浮上した。

 仙台が今季5回目となる無失点で勝利をもぎ取り、勝率を再び五分(8勝5分け8敗)に戻した。柏戦に限れば、直近6試合で5勝1分け負けなしという相性の良さをアウェーでも発揮。その立役者がFW阿部だった。後半14分、得点のにおいをかぎつけ右サイドに流れると、「うまく狙ったところに通すことができた。奥埜が決めてくれてよかった」とMF蜂須賀孝治(28)の折り返したボールを、中央でフリーだった奥埜にピンポイントでクロスを供給。今季初アシストで先制点をもたらした。先発出場したアウェー戦では5勝1分け1敗と、敵地ではめっぽう強い男の本領発揮だった。

 現在、リーグ戦は大混戦だ。仙台も前節まで4位だった札幌との勝ち点差はわずかに2で、浦和、鹿島の強豪チームですらこの混戦の中にいる。仙台はロシア・ワールドカップの中断明け以降、リーグ戦5試合で1勝1分け3敗。第16節のホーム横浜戦では、クラブワーストの8失点を記録するなど、4試合で複数失点も喫した。それでも20節を終えた時点では、13年に次ぐ勝ち点26を挙げるなど、中位に踏みとどまっている。

 渡辺監督は「守備の原理原則を取り戻し、しっかりと抑えてくれた。ここ3試合勝ちきれない中、気持ちも内容も引き締めることができた」と、納得の表情で振り返った。後半35分には、FW西村が60メートルをドリブルで駆け上がり、右足でダメ押し弾を決めた。お得意さん相手に、今季勝ち越すアウェー戦(5勝1分け4敗)で4戦ぶりの勝ち点3を積み上げ、負の連鎖を断ち切った。【下田雄一】