J3のSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)が14日、相模原市役所で引退会見を開いた。

川口は会見で「やはり現場で指導者として自分の経験したことを伝えたい」と指導者への道を進むことを明らかにした。その上で、3年時に全国高校サッカー選手権を制した清水商業高(現清水桜が丘)の恩師・大滝雅良氏(67)に引退を伝えた際「能活が経験してきたことを伝えて欲しい」と指導者への道を、強く勧められたことを明かした。

質疑応答の中で、静岡県富士市出身の川口に、静岡のメディアから「静岡の関係者にメッセージを」とリクエストがあった。川口、は小学校時代の指導者、東海大一中(現東海大静岡翔洋中)の恩師・桜井和好氏、大滝氏の名を挙げ「サッカーをやる上で礎を作ってくれた静岡。心から感謝の気持ちを伝えたい」と感謝した。

その後、清水商業高への思いと、大滝氏に引退を伝えた時の反応を問う質問が出た。川口は、まず清水商業高について「僕にとって、自分が在籍していたチームと同じように、母校には特別な思いがあるんですけど、清水商業時代に高校選手権で優勝することが出来ましたし、キャプテンとして全国制覇を成し遂げたチームなので当然、思い出が深いチームです」と語った。

その後、続けて、大滝氏に引退を伝えた際のやりとりを明かした。

川口 大滝先生には「引退します」ということを伝えたんですけど、その時には「お疲れさん。やっぱり、指導者…能活が経験してきたことを伝えて欲しい。W杯に4回出たのは、お前だけしかいないんだ」という声をかけていただいて。自分が言うのもおかしいんですけど確かにそうだなと。

高校時代、厳しく指導してくれた“大滝先生”のことを語る際、川口の表情は生徒のように引き締まっていた。【村上幸将】