清水エスパルスFW鄭大世(35)が、無欲でゴールを狙う。明日20日のホーム・セレッソ大阪戦に備え、18日は静岡市内で調整した。前節ジュビロ磐田戦では貴重な先制点を挙げ、今季初勝利に貢献した。「勝てたことで精神的には楽になった」。この日の非公開練習でも軽快な動きを見せたようで、次戦も2トップの1人としての先発が確実だ。

磐田戦では試合後に歓喜の涙を流した。主力として出場できなかった昨季の悔しさも入り交じり「本当にうれしかった」と振り返る。2010年には北朝鮮代表としてワールドカップ南アフリカ大会に出場。J1通算65得点の実績を誇る百戦錬磨のベテランでも、自らの得点でチームが勝利する味は格別だった。

次戦で得点すれば、17年4月以来2年ぶりの2試合連続ゴールとなる。それでも、チームの勝利が最優先だ。「20代の自分だったら取りたいと言っていたけれど、今は違う。できることをやるだけ」と謙虚に話した。

今季始動から取り入れている臀部(でんぶ)周辺の筋力トレーニングも、徐々に成果が表れてきているという。「コンディションはいい」。がむしゃらにプレーした先のゴールを信じて、走り続ける。【神谷亮磨】