久保建英、禁断のレアル移籍 7・20デビューも

【サンパウロ(ブラジル)14日=岡崎悠利】18歳の日本代表MF久保建英(東京)が今夏、クラブW杯3連覇の超名門Rマドリード(スペイン)に日本人で初めて完全移籍する。両クラブが同日、発表した。5年契約で、年俸は推定200万ユーロ(約2億4000万円)。最初の1年間は2部B(3部相当)リーグに属するクラブのBチームで修行し、ジダン監督が率いる銀河系軍団のトップ昇格を目指す。当初は13歳まで過ごした古巣のバルセロナ復帰が既定路線だったが、5カ国の新旧王者による争奪戦の末に、永遠のライバルへの禁断の移籍を決断した。

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夢じゃない。「久保くん」と呼ばれていたバルセロナ育ちの少年が、あの「白い巨人」の一員になることが確定した。今月初旬に判明していた通り、今夏で東京を退団。行き先もバルサではなくRマドリードになった。関係者によると、久保の現在の代理人が5月上旬には渡欧。まずは3部のカスティージャ(Bチーム)で第1歩を踏むものの、5年契約、年俸2億円超の契約をまとめた。久保は初のA代表でエルサルバドルと戦った宮城から、他選手より早い午前8時台の新幹線で帰京した10日、都内で極秘裏に身体検査を受けていたという。正式サイン後のこの日、両クラブ公式サイトで加入が発表された。

ライバル、バルセロナの下部組織出身。メッシより3年早い10歳から所属し、12-13年シーズンに30試合74得点の驚異的成績を残したが、国際サッカー連盟が定める18歳未満の移籍制限に抵触した。13歳だった15年に帰国を余儀なくされ、東京の下部組織へ。Jリーグの年少出場や得点記録を更新し、16歳でプロ契約。今季は13戦4発で首位を走る東京の主軸に成長した。

今月4日に18歳の誕生日を迎え、海外移籍への障害がなくなった。慰留した東京との契約も満了し、エルサルバドル戦で史上2番目に若いA代表デビューを遂げた裏で、交渉は最終局面を迎えていた。当初はバルセロナに戻ることを内諾していたが、レアルの10分の1程度の3000万円弱の低年俸を提示され、プレーも3部バルセロナBに限られる条件だった。バルサは育成哲学を曲げず、育成費をめぐる支払い交渉も折り合いがつかず、決裂した。

一方でRマドリード、パリサンジェルマン(フランス)Bミュンヘン(ドイツ)PSV(オランダ)からは一人前のトップ枠で正式オファーが届き、バルサへの愛着が揺らいだ。リストアップしていたマンチェスターC(イングランド)も含めれば、5カ国の新旧王者による争奪戦の末、最後は破格条件のレアルがPSGとバルサを振り切った。

南米選手権の後は一時帰国をへて、7月20日初戦のプレシーズン大会インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(米国)に合流する。そこで新加入のベルギー代表MFアザールらと争い、ジダン監督に認められるか、少なくとも1年目はBチームに回るか見極められる。Bチームだとしても、レジェンドのラウル監督の下で1年後の東京五輪も見据えながら、攻撃力を磨くことができる。公式サイトでは「世界でも最も有能な若手。優れた技術、視野、ドリブル、得点力を備えている」と紹介された。スペイン語も問題ない。最終的に銀河系軍団に入れるか、日本の高校3年生が前例のない挑戦者になった。

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  • ドリブルする久保(撮影・河野匠)