秋田グルージャが「初勝利」をつかんだ。J3いわてグルージャ盛岡は9日、鹿児島市内でJ3鹿児島ユナイテッドFCと練習試合(45分×3)を行った。J2ジュビロ磐田から加入したDF森下俊(33)が70分近くプレーし守備陣を統率。攻撃ではDF有永が先制ゴール、2、3点目はFW岸田、MFヴァンデルソンがPKで奪った。秋田監督就任初戦は引き分けだったが、2戦目は合計スコア3-2で飾った。

ベテラン森下は、粘り強い守備で相手に自由を与えず、ピッチにいる時間は失点ゼロで役割を全うした。「アキさん(秋田監督)が『最後のところで体を張れ』とずっと言っているので、それを少しは出せたと思う」。磐田に在籍した昨季は、リーグ戦で1試合の出場だったが、「まだまだできるところを見せたい」と新天地にやってきた。

10年には秋田監督が指揮するJ1京都サンガFC(当時)で主力としてプレー。森下は「同じDFとして学ぶところがいっぱいある。いい距離感で、分からないところはすぐに聞けるし、何でも教えてくれる」。特に監督の代名詞ヘディングを伝授され、「軸をぶらすな。ここに当てたら飛ぶ」とコツを学んだ。秋田監督も「シュン(森下)はJ1でやってきている。そういう基準をJ3の選手に植え込んでほしい」と信頼する。

昨季は最下位で、メンバー30人中19人が新加入。ゼロからチームをつくり直している最中だ。3月8日の開幕戦まで残り1カ月を切ったが、メンタルや戦術面で秋田イズムが着実に継承されている。【山田愛斗】