セレッソ大阪下部組織(アカデミー)の技術委員長に就任した元日本代表MFの風間八宏氏(59)が2日、オンラインで取材に応じた。

技術委員長は初めて設けられたポストで、高校生以下の若い選手と指導者育成を主眼に置いた役職になる。

風間氏は冒頭のあいさつで「僕の仕事は、指導者の育成、技術の向上をみんなでやっていくこと。それを子どもたちに落としていく。技術にフォーカスしてやっていきたい。新たな仕組みをつくるべきなのか、今の仕組みを向上してやっていくのか。他の指導者と話しながらつくっていきたい」とメッセージを送った。

トップチームではなく、その下に位置付けられるユース、ジュニアユース、ジュニア、スクール生ら若い年代への指導はもちろん、指導者への指導も風間氏が受け持つ大役になるといい、同時作業で行う。

「多くの力を持った指導者がいてくれたら、自然と(子どもたちの技術向上は)広がる。別々の問題ではない。指導者は指導者、選手は選手と分けては考えていません」と、下部組織全体の統括を心がける。

C大阪の下部組織からはFW南野拓実(リバプール)ら多くの選手を世界へ輩出してきたが、さらにその路線を進化させていきたい。あくまでも例えではあるが、先日死去したマラドーナ氏のような、個性的で個人戦術が秀でた選手を育てたいという。

「若い世代でワクワクしないとトップに行ってもワクワクしない。マラドーナが亡くなってしまったが、ああいう選手には、子どもの頃からお客さんが集まってくる。C大阪から1人でも出てくればいい。そのためには個人戦術を身につけないといけない」

風間氏は現役時代はドイツでもプレーし、川崎フロンターレと名古屋グランパスで監督を務め、優勝争いできる土台を固めた指導者として定評がある。「僕自身がトップチームで監督をやってきたが、やってきたからこそ分かることがある。監督がやることは、いくら頑張ってもグラウンド上、割合ではそんなに力を発揮しても大きくない。一番は選手ありき。選手をどういうふうに伸ばしていくか」と、若手選手と指導者育成に全力を傾ける。

就任は来年1月1日付で、初めて大阪を拠点にした生活になり、初めての役職に挑戦する。将来的に3度目のトップチームの監督就任に関しては「僕は何も考えていない。技術委員長という役職をどう楽しんでいくか。みんなでいいもの、おもしろいものをつくっていく」と話した。【横田和幸】