コンサドーレ札幌は横浜F・マリノスにラスト1プレーで同点に追いつかれ、1-1の引き分けに終わった。開幕から4戦連続ドローは09年柏と並ぶJ1珍記録。後半25分、途中出場のFW菅大輝(23)が先制ゴールを決めたが、FW小柏剛(23)が負傷離脱して1人少ないまま突入した後半ロスタイム5分、同点弾を決められた。15日にJリーグのチェアマンに就任する野々村芳和会長(49)の札幌でのラストマッチを、クラブのJ1通算100勝目で飾れなかった。

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札幌の今季初勝利は目前だったが、最後の最後でスルリと逃げた。1点リードで迎えた後半ロスタイムの表示は4分。時計はすでに94分を過ぎていた。守り切れば勝ち点3…だったが、相手DF実藤にオーバーヘッドで同点弾を決められた。ピッチに崩れ落ちる札幌イレブン。ペトロビッチ監督は椅子に腰掛けうなだれた。試合後「最後の最後で勝利を逃した。残念な気持ち」と悔しがった。

先制後の後半39分に、裏に抜け出した小柏が右太もも裏を押さえて倒れ込み、プレー続行が不可能になった。すでに交代5枠を使い切っていたため、1人少ない状況のまま迎えたロスタイムの悲劇だった。押し込まれる状況は仕方ない。ただ、主将のMF宮沢は「あと1歩寄せていれば何かしら状況は変わっていたかもしれない。そういうところを突き詰めてやっていかないと簡単には勝てない」と反省した。

どうしても勝ちたかった。開幕から4試合連続引き分け。勝ち点1を積み重ねているが、取りこぼしてもいる。クラブJ1通算100勝目はまたもお預け。野々村芳和会長(49)がチェアマン就任のためクラブを去る前のラストマッチだった。試合前時点で首位の相手に好ゲームを演じた。指揮官は「何が何でも勝利して野々村会長を送り出したいという気持ちが伝わった」と90分戦い抜いた選手をほめた。

負けなかったが、勝てなかった。クラブ史上開幕から4戦負けなしはJ2時代の04年以来(最長は00年の5試合連続)。宮沢も「勝ち点3が活力になる。チームとしてブレずにやっていきたい」と悲観しない。次節19日C大阪戦で白星をつかめれば、無敗という自信を手にできる。【保坂果那】

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○…試合後には15日にJリーグチェアマンに就任する野々村会長の退任セレモニーが行われた。13年社長就任からの9年を振り返る約3分の動画が流され、記念Tシャツを着用した選手やスタッフに囲まれた。花束を受け取り、サポーターに向けて「引き続き素晴らしい作品を作ってください」とあいさつ。何度も深くおじぎし、花道を通ってピッチを去る際にはメガネを取って涙を拭う姿もあった。