J3テゲバジャーロ宮崎は21日、元日本代表FW工藤壮人さんが亡くなったと発表した。32歳だった。工藤さんは11日に水頭症の手術を受け、容体が悪化したため17日から集中治療室(ICU)で治療中だった。クラブは「14時50分に逝去いたしました。ここに生前のご厚誼(こうぎ)を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」と伝えた。

柏の下部組織で育った。浦和の日本代表DF酒井は同期。ともに09年にトップ昇格している。柏でも活躍し11年にリーグ、12年に天皇杯、13年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)も制した。

13年にはザッケローニ監督が率いる日本代表にも選出された。同年7月、韓国での東アジア杯中国戦で代表初出場初ゴールを決めるなど、国際Aマッチ4試合に出場し2得点を記録。米MLSやオーストラリア1部でもプレー。今季から宮崎に加入してリーグ戦21試合出場で3得点を挙げていた。

クラブの二村恵太社長は「あまりにも早い逝去は、無念で残念でなりません。選手、スタッフ、クラブ一同はまだ気持ちの整理ができない状況もございますが」などと、コメントした。葬儀などの対応は、クラブから改めて報告されるという。

◆水頭症とは 頭蓋内に脳脊髄液がたまって脳を圧迫し、さまざまな症状を引き起こしてしまう疾患で、急性の場合には生死にかかわる。なお、治療法は、髄液を抜く管を体に埋め込む手術によって脳の機能を回復させる。

◆工藤壮人(くどう・まさと)1990年(平2)5月6日生まれ、東京都出身。小学生時代から柏の下部組織で育ち、09年にトップ昇格し、Jデビュー。16年に米MLSバンクーバーへ移籍。17年に広島に加入しJ復帰。J1通算192試合60得点。19年はJ2山口で、その後オーストラリアでのプレーを経て、今季はJ3宮崎に在籍。日本代表では国際Aマッチ通算4試合2得点。177センチ、74キロ。