ビリャレアル移籍が決定的となっている日本代表MF久保建英(19)について、同選手が来季へ向けたチームの補強第1号になる予定だと、ビリャレアルの地元紙エル・ペリオディコ・メディテラネオ電子版が6日に報じている。

同紙によると今現在、ビリャレアルと久保の所属元であるレアル・マドリードは正式発表に向けて詳細を詰めている段階であるとのこと。期限付き移籍の契約期間は1年間で、買い取りオプションはつかない予定となっている。

ビリャレアルの補強に関しては、バレンシアの司令塔MFダニ・パレホやMFフランシス・コクランといった名前も候補に挙がっており、並行して久保をめぐる激しい獲得競争を勝ち抜いた形となった。中でもビリャレアルを経済面ではるかに上回るオファーを出したバイエルン・ミュンヘンが最も強力なライバルだったという。しかし、同紙はRマドリードと久保がともに、金銭面よりも久保の成長面を重視したこと、ウナイ・エメリ監督の関心の高さによる久保への信頼があること、そしてエメリ監督が久保に直接、自身のプレーのアイデアと、クラブの哲学に久保をどのようにフィットさせるかを説明したことが決め手になったと伝えている。

久保の期限付き移籍の手数料についての具体的な金額は明らかになっていないが、同紙が入手した情報によると、200万ユーロ強(約2億5000万円)をベースに、欧州リーグの予選リーグを突破した場合など、さまざまなボーナスがプラスされるとのことだ。また、久保の年俸は250万ユーロ(約3億円)となっている。

久保の加入は予想以上の出費を意味するが、同紙は「ビリャレアルは成功への飢えと並外れた才能を持つ若い選手を手に入れることができる。またRマドリードは将来、久保が重要な選手になると見ている」と、大金と引き換えに非常に優秀な選手をメンバーに加えられることを伝えたほか、久保との契約によりビリャレアルの試合が日本で大きな注目を浴びるというメリットがあることを強調した。

また、同紙は久保のプレー面について、「高い技術を持ち、組織プレーに非常に優れ、チームメートとうまく連携できる。ウナイ・エメリの好む4-2-3-1、または4-4-2のシステムにはめるのに理想的な選手。ボールを持った時のスピードが速く、両サイドに適応でき、トップ下としてもプレーできる」と分析し、高く評価している。(高橋智行通信員)