男子短距離界の超新星がデビュー3連勝を逃した。100メートル(切断などT64)決勝で井谷俊介(23=ネッツトヨタ東京)は12秒01の2位。11秒81の大会記録をマークした日本の第一人者・佐藤圭太(26=トヨタ自動車)に敗れた。

 1日の関東パラ(東京・町田市立陸上競技場)では佐藤に先着し、デビュー戦だった5月の北京GPから2連勝を飾っていた。ただ、北京で痛めた右大腿(だいたい)裏の肉離れに悩まされ、この3週間はスピード練習もままならなかった。

 「かなり痛いです。予選では圭太さんと走ったときは流しめにして、決勝ではテーピングを外して勝負しようと思ったんですが、すごく張っている感じで巻き直しました」。1週間前は笑顔だったが、この日は表情が曇った。ただ、そんな状態でもタイムを12秒05から0秒04短縮した。

 今後は完治に全力を挙げる。その後に下半身を中心に体を鍛え直し、10月のジャカルタ・アジアパラを目指す。「アジア記録を更新したい。それが今年の目標です」。アジア記録11秒77を持っているのは佐藤だ。