陸上男子100メートル日本記録を持つ桐生祥秀(23=日本生命)が好スタートを切った。

23日、今季初戦となるオーストラリア・クイーンズランド州での競技会に出場。100メートルの2レース目に10秒08(追い風2・0メートル)で1位。その53分後、200メートルでも自己記録を0秒02更新する20秒39(同1・5メートル)を出した。ダブルで今秋の世界選手権(ドーハ)の参加標準記録(100メートル=10秒10、200メートル=20秒40)を突破した。

昨季はスローペースで調整。100メートル初戦は5月で記録は10秒26だった。その後も調子が上向かなかった。高校3年時から10秒0台以上のシーズンベストを出し続けてきたが、社会人1年目の昨季は10秒10が最高。その反省から、春に調子を上げる従来のやり方に戻した。昨季より体重は1キロ増えながら、引き締まる体が今季の好記録を期待させる。10秒0台以内は17年9月の9秒98以来だ。この日は100メートル1レース目も流して10秒22(追い風0・1メートル)。中盤で鋭く伸びた。

今後4月のアジア選手権(ドーハ)、5月のセイコー・ゴールデングランプリ大阪に出場予定。17年世界選手権、18年ジャカルタ・アジア大会と2年連続で100メートル代表を逃しているが、今季こそ、強くなって世界に挑むシーズンとする。