2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの武藤敏郎事務総長が15日、都内の日本記者クラブで会見し、札幌に会場移転したマラソンについて「チケット販売は困難」と明言した。その場合、既に販売しているチケットは払い戻しするとした。

最終調整している同市中心部の大通公園発着案では、大規模な観客席を設置できないため。ビアガーデンをはじめとした「さっぽろ夏まつり」が同所などで同時期に行われていることもあり、十分な整備スペースがないことも要因。

競歩会場については運営拠点をマラソンと共有し、できるだけ簡素にさせるため、発着場所は近接させる必要性を主張した。組織委は競歩会場について、大通公園と交わる札幌駅前通で最終調整している。

また、今回の移転決定過程について「プロセスにおいては、はなはだ問題があった」との所感を述べた。通常は開催都市、組織委で計画を策定した後、国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得るプロセスを取るが、今回はIOCからのトップダウンで決定した。一方で「結論は、私自身はやむを得なかったと思う」と述べた。