日本バスケットボール協会(JBA)がウィザーズに直談判だ。同協会の東野智哉技術委員長(48)は25日、8月31日開幕の男子ワールドカップ(W杯)中国大会や代表合宿に、NBAドラフトでウィザーズから1巡目(全体9位)指名を受けた八村塁(21=ゴンザガ大)が参戦できるよう、所属先と交渉を進めることを明かした。

NBAの規則では、代表練習の拘束日数は休日やW杯を除く28日間で、最大限の対応をしてもらうようチーム幹部に直談判する。

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JBAは、男子W杯に出場する日本代表の強化試合を8月に4試合行うと発表した。東野技術委員長は、八村の合流時期について「7月下旬から8月上旬になると思う」と話した。日本のW杯初戦となる9月1日から逆算して、NBA規定の拘束日数28日をフルで使いたい考えだ。

ウィザーズのGM代行を務めるトミー・シェパード副社長は、八村のW杯出場や20年東京五輪への活動に理解を示している。だが、今後GM交代の可能性もあり、確実ではない。そこで東野委員長が5日からのサマーリーグ(ラスベガス)を訪れ、直接交渉の席に着くという。「ドラフトから真剣に話をしているが、GMが代わればチーム事情も変わる」と気を抜かずに話し合いを続ける。

日本代表の国内組は、7月20日から合宿を行う。8月の強化試合で、世界ランキング48位の日本は、12日に千葉ポートアリーナで同38位のニュージーランドと対戦。20年東京五輪のテスト大会を兼ね、さいたまスーパーアリーナで行われる3試合は、22日に同5位のアルゼンチン、24日に同22位のドイツ、25日に同51位のチュニジアと顔を合わせる。このほか非公開でも4試合を計画している。八村が予定通り合流すれば、12日のニュージーランド戦がNBA入り後の代表デビュー戦となりそうだ。

日本代表のラマス監督は、代表合宿とW杯に集中するため、サマーリーグ視察は東野委員長に一任するという。「しっかり報告するように言われています」。グリズリーズとツーウエー契約を結ぶ渡辺雄太(24)のW杯参戦についても「100パーセントではないが(所属先と)いいコミュニケーションが取れている」と手応えを口にした。東野委員長の交渉が日本のW杯を左右しそうだ。【松熊洋介】