世界4位で第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)が生まれ故郷の大阪で、5年ぶりの勝利だ。

予選勝者で同181位のトモバ(ブルガリア)にてこずったが7-5、6-3のストレート勝ち。準々決勝では同36位のプティンツェワ(カザフスタン)-同149位のフリンク(ロシア)の勝者と対戦する。

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コートにざらつきがあり、球が引っかかる。バウンドしてからの球足が遅く、相手の球も速くない。大坂はなかなか球を待ちきれず、ミスが出た。しかし、地力は数段上。第1セットは0-3、第2セットは0-2から逆転し、ジェンキンス氏とコーチ契約を解消して初の試合に勝利した。

会場は小さい頃、遊びで訪れた靱テニスセンターだ。生まれ故郷での勝利に、思わずご機嫌の日本語スピーチだ。「いつも、見に来てくれてありがとう」。3歳で米ニューヨークに移住したため記憶は曖昧だが、好物は「お好み焼き、たこ焼き!」と、漂うにおいは体に染みついている。

大阪での試合は14年ジャパン女子オープン以来。当時は、世界265位で全くの無名だった。今回は試合前に約300人のファンがサインを求め殺到するなど、世界女王になってから初の“凱旋(がいせん)”に「大坂が大阪で勝つ。いいんじゃない? 勝たないとまずいわ」。大阪での初優勝に向け、まずは1歩を踏み出した。【吉松忠弘】