【メルボルン=吉松忠弘】世界4位の大坂なおみ(22=日清食品)が、ヘリコプター事故で亡くなったコービー・ブライアント氏に、SNSで追悼の手紙を寄せた。

ブライアント氏とは知人を通じて知り合い、昨年9月の全米オープン2回戦には応援に駆けつけてもらうほどの仲だった。大坂は心の師として仰ぎ「偉大な兄へ」と鎮魂のメッセージを送った。

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叫び出したい気持ちを必死でこらえた心からの手紙だった。書き出しには「これを書くことを、本当に迷った」と悩みに悩んだことを告白。そして「本当に今までありがとう」と、感謝の気持ちを最初に伝えた。

試合の度にメッセージをもらっていた。特に「辛い負けの時には、必ず私をケアしてくれた」と、ブライアント氏が精神的な支えだったという。「必ず、大丈夫?と気遣ってくれた」。それは「私が時々、意気消沈しているのを知っていたからよね」と続けた。

昨年の全米2回戦では、ランク下の選手にやや苦戦した。しかし、応援に駆け付けてくれたブライアント氏の存在が支えとなり、ストレート勝ちした。「長い間、彼を太陽の下に座らせたくなかった。だから第3セットには絶対に行きたくなかった」と、試合後に打ち明けた。

当時、ブライアント氏の応援について、自分の運命に驚きながら感激した。「1年前だったら、私の関係者席にコービーが座っているなんて信じられない。運命は不思議なもの」。この日の手紙には「短い間だったけど、多くのことを教えてもらえたのは幸運だった」と感謝を込めた。

そして、最後に最愛の言葉で締めくくった。「あなたは永遠の兄であり、心の師。いつまでも愛している」。インスタグラムにはコート上で肩を抱かれるツーショット写真も公開。突然の出来事に現実を受け止められない中で、感謝のメッセージをつづった。