ウィザーズのルーキー八村塁(22)がバックス戦に先発し、29分の出場でチーム最多の20得点、5リバウンド、1アシストだった。前試合に続き、開始から1度もリードを奪えずに敗れ、再開後7連敗となった。

リーグ最高勝率の強豪との対戦。昨季MVPヤニス・アデトクンボと序盤からマッチアップしたが、第2クオーター(Q)途中まで、10分の出場で12得点を許した。八村は「今後もヤニスのような選手を守ることが多くなる。マッチアップできていい勉強になった」と振り返った。

バックスは3点シュートが比較的打ちやすいディフェンススタイル。被シュート数はリーグ1位で、ウィザーズも序盤から積極的に狙っていった。

八村も今季1試合の試投数は5本が最高だったが、この日はキャリアを通じて「記憶にない」という9本を放った。「打てるチャンスもあったが、最初の方はためらっていた。チームメートからどんどん打っていけと言われて切り替えた」と、第2Q中盤では手を挙げてパスを要求し、右45度からきれいに決めた。チーム最多、今季自己最多タイとなる3本の成功。それでもチーム全体の決定率が47%の相手に比べて32%と低く、課題を残した。

3点シュートを打つこと自体で自身の攻撃の幅も広がる。「コーチにもスペースができるからどんどん打てと言われていた。相手が警戒することで、自分はドリブルもできるし、(他のプレーが)生きてくる」。来季はウオールもビールも復帰し、プレーにも余裕ができるはず。「(3点シュートは)僕のプレースタイルではないが、チーム状況とか、今のNBAの流れ的には、打てないとリーグに残れない。2人が帰って来たらオープンに打てる状態になると思うので、しっかり決められる選手になりたい」と語った。

コロナ禍で長かったシーズンも残り1試合となった。ケガで約2カ月の離脱はあったが、出場試合すべてで先発し、主力としてチームを支えてきた。「PO進出という目標はあったが、それ以上にいいプレーをするという思いでやってきた。そういういう意味では僕らの仕事はまだ終わっていない。残りの練習、試合をしっかり終わらせたい」。課題も収穫もあった1年目。最後の試合に勝利し、いい形で締めくくる。