バスケットボールBリーグ川崎のファジーカス・ニック(35)が12日までに日刊スポーツの書面での取材に応じ、7月に新型コロナウイルス陽性と診断された経緯について語った。18年4月に日本国籍を取得しているファジーカスは、3月中旬のリーグ戦打ち切り後に渡米。現在は体調も回復しており、10月のリーグ開幕に向けてトレーニングを行っている。【取材・構成=松熊洋介】

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-米国での練習環境は

ファジーカス 知り合いと2人で体育館でトレーニングしている。週4、5回くらい行っているので、コンディションは悪くない。

-どんな練習を

ファジーカス シューティングがメイン。他にも、ウエートなどをしてコンディションを整えている。

-7月に陽性と判定された時の状況は

ファジーカス 車で知り合いとゴルフに行った帰り、体のだるさなどを感じた。ただその時は、長時間運転していたからかな? と思った。数日後、個人練習後に、さらに体調が悪くなったと感じ、その日は早めに寝た。

-感染したと感じたタイミングは

ファジーカス 確信したのは、家で息子のオムツを替えようとしていた時。自分は何もにおいがしなかったのに、奥さんがずっと、すごくくさいと言っていたから。その後、昼ごはんを食べていたが、ケサディア(メキシコのホットサンド)の味がせず、段ボールを食べているみたいだった。加えて、奥さんがからい、からいと言って食べているチップスを食べたら、全くからさを感じなかったので、検査を受けに行った。

-不安や心配は

ファジーカス 早くシーズンが無事に始まってくれればいいと思っている。自分は日本国籍を取得しているので、近いうちに戻る予定。不安はない。日本の方が、今のアメリカより安全な気がする。早く日本に戻ってバスケがしたい。

-自粛期間中は

ファジーカス 自粛期間中は家で息子のプールに付き合わされる毎日だった。最初は全く泳げなかったのに、だんだん泳げるようになる姿を見ているのが、すごく楽しかった。

-チームメートと話はしたか

ファジーカス チームの外国籍の選手とは、シーズンがどうなるかや、調子など幅広く話をしている。

-今季にかける思い

ファジーカス 目標はもちろん、昨年できなかった優勝。メンバーも変わっていないので、自分たちの目指しているバスケをしっかりと遂行して優勝したい。

◆ファジーカス・ニック 1985年6月17日、米コロラド州生まれ。ネバダ大では4年連続でNCAAトーナメントに出場。07年NBAドラフト2巡目34位でマーベリックスに指名された。その後、ベルギー、フランスなどでプレーし、12年東芝(現川崎)に入団。Bリーグ16-17シーズンMVP。19年9月のW杯中国大会では全5試合に出場。207センチ、114キロ。家族は妻と1男1女。