19年ラグビーW杯日本大会で史上初となる日本代表の8強に貢献したNO8姫野和樹(26=トヨタ自動車)が22日、オンラインで行われた記者会見で海外挑戦に対する思いを語った。

21年1~6月に予定されている世界最高峰スーパーラグビー(SR)で、ニュージーランド(NZ)南島のダニーディンを本拠とする「ハイランダーズ」の一員としてプレーする。姫野は「英語能力も伸ばしたい部分ですし、プレーはオフロードパスだったりのスキル、サポートコース、そういったNZの選手たちには見えていて、僕には見えていない部分がある。そういうところを伸ばしていきたい」と決意を表明した。

19年W杯では防御時にボール争奪戦で相手に絡む「ジャッカル」を何度も成功させ、多くのファンに用語を浸透させた。約1年前となる準々決勝南アフリカ戦敗退後には「ラグビー文化を根付かせるのがW杯後の僕の夢。海外挑戦もしたい」と口にした。

かねて志してきた海外の舞台で、23年W杯フランス大会へのステップを踏む。

◆姫野和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日、名古屋市生まれ。中学で競技に出会い、愛知・春日丘高(現中部大春日丘)1、2年時に花園出場。帝京大で大学選手権8連覇などに貢献。17年にトヨタ自動車へ加入し、1年目から主将。同年11月オーストラリア戦で日本代表デビュー。現在17キャップ。18年からはSRの日本チーム「サンウルブズ」でもプレー。趣味は温泉。187センチ、112キロ。

◆オタゴ・ハイランダーズ 1996年創立。本拠地はNZ南島のダニーディン。日本代表ジョセフHCが指揮し、同SH田中史朗(キヤノン)が在籍した15年にSR初優勝。19年W杯日本大会にはNZ代表SHのA・スミスらを輩出。国内5チームで行われた今季の「SRアオテアロア」では4位。チームカラーは青と黄。

◆日本人選手のNZ挑戦 13年にハイランダーズへ加入した19年W杯日本代表SH田中が、レベルズ(オーストラリア)の同代表フッカー堀江と共に日本人SR初出場。田中は4季プレーした。15年からはチーフス(NZ)にフランカーのリーチ(東芝)が3季在籍。NZ代表の名選手ケーンの背中を追って成長した。15年W杯日本代表プロップ山下裕(神戸製鋼)も16年にチーフスでプレーした。