リオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り幅跳び(切断などT42)銀メダルの山本篤(35=新日本住設)と同金メダルのハインリッヒ・ポポフ(34=ドイツ)が27日から29日までの3日間、千葉県浦安市の明海大で開催された下肢切断者を対象にしたランニングクリニックでコーチを務めた。

 クリニックは総合医療福祉機器を取り扱うオットーボック・ジャパン(東京都港区)が主催。18歳から57歳までの男性8人、女性2人の計10人が全国から参加した。

 最終日の29日は台風22号の影響で雨天となったが、参加者は体育館でサッカー、バスケットボールなどで体を温めた後、ランニングフォームの基礎などを繰り返し確認した。10人中5人が陸上競技用の義足初体験で、3日間のメニューも義足の取り扱い方、脱着方法からスタートする初心者向けの内容。それでも山本によると「20年の東京は難しくても、それ以降のパラリンピックで活躍できる可能性を感じさせる人がいました」という。

 ドイツにあるオットーボック本社のアンバサダーとして、12年から世界各国でクリニックの指導をしてきたポポフは「日本では15年から始めて今回が3度目のクリニックですが、みなさんの前向きな姿勢に感動します。私が教えるすべてを漏らさずに吸収しようとする意欲が素晴らしい」と、参加者の熱意を高く評価していた。

 今年のクリニックには全国から数多くの参加応募があったが、山本とポポフの2人が十分に行き届いた指導を行える限度として10人に絞り込まれたという。