女子SU5(上肢障がい)は世界選手権を2度制している鈴木亜弥子(33=七十七銀行)が、杉野明子(30=ヤフー)との決勝に2-0(21-12、21-10)でストレート勝ちし、2年ぶり5度目の頂点に立った。

「自分の評価としては普通ですが、1ゲームも落とさずに優勝できたのは良かったと思います」。鈴木は落ち着いた表情で2日間の5試合を振り返った。

昨年からテーマとして掲げるのがフットワークの改善。ステップを大きくして歩数を減らし、体力をセーブしながらコートを速く、広くカバーすることだ。杉野戦でもコート奥からネット際のドロップショットに鋭く反応するなど軽快な動きを披露した。

昨年の大会は練習の負荷から左膝を痛めて欠場したが、約13カ月ぶりの実戦で健在を証明した。それでも「もっとフットワークを磨いて速いタッチができれば、より相手の嫌なところに打つことができる。長いラリーでよりよいコースに打ち続けなければならないんです」と貪欲だ。頭の中には東京パラリンピックで金メダルを争うであろうライバルの楊秋霞(中国)がいる。

10年に1度引退しながら、東京パラを目標に16年に現役復帰した。ブランクを挟んで09年と17年の世界選手権を制すなど常に世界のトップで活躍してきた。今大会では同じクラスに新規エントリー選手がいたが、「うれしかったです。私を倒してほしいです」。笑顔のコメントに第一人者の自信と余裕がにじんだ。【小堀泰男】