男子1500メートル(車いすT52)で世界記録保持者の佐藤友祈(31=モリサワ)が金メダルをつかんだ。「自信しかない」と臨んだ大会で、27日の男子400メートルに続く2冠となった。上与那原寛和(50)が400メートルに続く銅メダルを獲得した。

佐藤は16年リオデジャネイロ大会では両種目で銀メダル。この日はリオ王者で最大のライバル、マーティン(米国)とスタート直後から2人で抜け出した。終始後方に付かれる展開にも、堂々と車輪を回した。一度も前を譲らず、ゴールが迫ると逆に引き離して見事に雪辱を果たした。

2月には支援企業を得て「プロ」を宣言し、パラスポーツの魅力と拡大に取り組む男が、偉業を残した。

◆佐藤友祈(さとう・ともき) 1989年(平元)9月8日、静岡県藤枝市生まれ。静清工高(現静清高)卒業。21歳で骨髄炎にかかって左腕と下半身にまひが残った。12年のロンドン・パラリンピックを見て車いす陸上を開始。前回リオデジャネイロ大会は400メートルと1500メートルで銀メダル。18年に2種目とも世界記録を樹立。17、19年の世界選手権で2冠。岡山市在住。モリサワ所属。