世界ランキング5位の日本が同3位のブラジルを6-1で下し、銅メダルを獲得した。12年ロンドン大会の金メダル以来、2大会ぶりのメダルとなった。

リードを広げる中、最後に大会中に負傷した天摩由貴(31)、日本選手団副団長を務めるベテラン浦田理恵(44)らもコートに立ち、総力戦で試合を締めくくった。

天摩は1次リーグの試合中に足を滑らせて負傷した。市川喬一総監督によると、足が痛くて動けず、試合にも出られる状態ではなかったという。天摩は「このチームで銅メダル獲得をなし遂げたことがうれしい。コートに立つ時間を作ってもらって、感謝しています」と話した。

浦田は「決勝の舞台に立つ目標は達成できなかったが、チーム一丸で、必ずメダル持って帰るという強い思いで臨んだ。若い選手たちで作ったいい流れの中で、最後は(ベテランが)しっかり締めて、日本らしい戦いできた。最後の最後にパフォーマンスを出し切ることができました」と満足げな表情を見せた。

総監督は「普段通りの試合ができた」と試合を振り返った。試合前にひと言だけ、選手に声を掛けた。「メダリストになりたいのか、パラリンピアンになりたいか、どっちを選択するのか」。総監督は「5年間、それだけの努力をチームでやってきたし、厳しい試合になっても、自分たちがメダリストになるという気持ち大事だと思った」と明かした。

2日の準決勝でトルコに敗れ、泣きじゃくり、落ち込む選手が続出した。「(都内のホテルで)おすしが食べられることになっているので『おすしを食べよう』と。気持ちを和ませることしかできなかった」。選手の気持ちをやさしく切り替えようと試みた。

総監督は「先制点が大きかった」と、欠端瑛子(28)が取った1点をポイントに挙げた。「今回のシステムは彼女の攻撃しやすいパターンを作った。海外チームは欠端のデータを持っている。止められる可能性があったが、それを強引にこじあけようと。欠端が点を取ってくれるイメージを強く持っていた。その通りになって良かった」と話すなど、采配も決まった。