20キロまでテレビで見ていましたが「勝ってほしい」という祈りも込めて自分でも走りにいってしまいました。

いてもたってもいられず…。お祈りしながら走りました。戻ってきたら35キロで道下さんがトップ。シンプルに「ああ、うれしい、よかった」と感じました。

道下さんは、ピッチ走法が素晴らしい。1分間で約240歩。健常者のマラソンでもなかなかいない、すごい回転数です。東京のコースは後半に負荷の高い上りがあるが、ピッチ走法は負荷が軽減できる。また細かな動きで上下動が少なく、左右も大きなずれがない。これはガイドランナーにとっても走りやすい。私のようにストライド走法でぴょんぴょん跳ねるタイプは合わせにくいでしょう。

道下さんはリオ後に福岡でのトークショーを聞きにきてくれました。自分が強くなるために、どんな情報でもキャッチして、それを実行する人という印象です。リオの悔しさから切り替えて5年間、動物性タンパク質をとるなど、走るだけでなくトータルで強くなるために地道にやってきた成果。「やっぱり神様は見てるんだな」と思いました。

ガイドランナーの志田淳さんとは、私の現役時代に00年世界ハーフマラソン選手権メキシコ大会に一緒だった。道下さんのガイドランナーをしていることを知って、驚きました。自分が好きなランニングを、違った形で、サポートする形で、続けている。すてきなことだと思います。(04年アテネ五輪金メダリスト)