政権崩壊したアフガニスタンから出場を果たした男女2選手が参加した。各国の国旗入場で、難民選手団の後に登場。イスラム主義組織タリバンに実権を握られたアフガニスタンから脱出し、今大会途中に参加が決まったテコンドー女子のザキア・フダダディ(22)と陸上男子のホサイン・ラスーリ(26)で、母国の国旗を2人で持って歩を進めた。

同国は一時、出場断念を表明していたが、複数の個人、組織、政府の支援を受けて2選手が首都カブールから避難することに成功。パリの国立施設での1週間の調整をへて、先月28日に来日を遂げていた。

地雷の爆発で左腕を失ったラスーリは3日の男子走り幅跳び(上肢障害T47)に出場。4メートル46で結果は13人中13位だったが、記録は自己ベストを更新してみせた。フダダディは上肢障害女子49キロ級(K44)で1回戦敗退。調整不足からか敗者復活1回戦も敗れていたが、脱出前の混乱したアフガニスタンからビデオメッセージを通じて「参加する権利を奪わないで」と訴え続け、出場にこぎ着けた姿が感動を呼んだ。

国際パラリンピック委員会(IPC)はこの日、2人に閉会式で国旗を掲げることを期待しているとした上で、参加については「2人しだいだ」と説明していた。24日の開会式には間に合わず、ボランティアが行進でアフガニスタン国旗を運んでいた。閉会式では2人が笑顔で手を振った。