東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、大量に余った大会ボランティア用ユニホームなどを、希望者にすべて無料で追加配布したことが6日、分かった。

配布は8月下旬から9月上旬にかけて行われた。五輪閉幕後、ボランティアにメールで日時や場所が通達されていた。配布場所は大会ボランティアの大会参加資格証配布などでも使用された旧ホテルオークラ東京別館。配布日には、約3時間半待ちの大行列ができたこともあった。ある男性ボランティアは「当日の勤務時間によってはもらえなかった人もいるし、大量に持ち帰った人もいる。私が行った時はシャツはSより小さいサイズしかなかった」。持ち帰り用に「TOKYO2020」と書かれた黒い袋も配布され、詰め放題の状況だったという。同日夜、水色のユニホーム姿で大き1な黒い袋を3袋抱えて、電車で帰宅するボランティアもいた。

活動前に1人当たり、ポロシャツ3枚、ズボン2枚、ジャケット1着、帽子1個、シューズ1足、バッグなどの一式が配られた。いずれも大会スポンサーのアシックス社製で、約3万円相当とも言われる。オリパラ両大会で、辞退者が増えて余ったとみられる。費用や配布枚数などの詳細は明かされていない。

購入には東京都などの税金も使用されている。大会中、弁当やマスクの破棄が問題視されたが、ユニホームやシューズは支援団体を通じて、国内外の被災地や紛争地、スポーツ環境の整っていない地域などへの支援物資や、今後のスポーツ大会で利用する方法もあった。無料追加配布は適正な判断だったのか。オークションサイトにはすでに数多くの出品があり、長袖のジャケットが1着2万1000円で落札されていた。【鎌田直秀】