【山本幸史・ヤマを張れ スペシャル】

山田が決勝入りへ、執念で突き抜ける。

崖っぷちで踏みとどまった。山田が狭き門の2予B7Rを1着で突破し、KEIRINグランプリ(GP)出場へ望みをつないだ。岩谷拓磨の先行を番手まくり。「自分に余裕がなかったので、前に踏ませてもらった。(後ろに)食われたら自分に力がなかったと思って、行った」。なりふり構ってはいられない。貪欲に勝ちをつかみ取った。

競輪祭前に体調を崩し、「思うような練習ができなかった」と、不安はあった。1予<1>では切り替えてまくりに行ったが、車が出ず4着。ただ、1予<2>まで1日、休養ができ「今の自分には休みは大きい」と心身の回復を図った。

さらに、運も味方した。1予敗退ラインから2人目となる62番手での2予B。体調も良化し「(2走は)レース後きつかったけど、今日(4日目)はレース中から体が良かったし、だいぶいつもと変わらない感じになった」。会見場にはうれしそうな笑顔で入ってきた。マスク越しの表情は明らかに違った。

賞金ランク9位の清水裕友とは、4日目を終了し約1000万円差。決勝に進まない限り、初のGP切符の望みはない。そもそも、自分よりランク下位の選手が勝てば、その夢は打ち砕かれる。もっとも本人は「後半よりも、今年前半の方が賞金を意識していた」と話した。「ここまで来たらなるようになる、やれることをやる」。開き直った人間は強い。

11Rは、今開催をリードする郡司と新山が激突。野田と別線勝負なのは、悔いなく戦うため。逃げる新山を郡司がまくった外を突き抜ける。3連単(2)-(7)(3)-全の計14点。

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