セットプレーの威力がJ1でもトップレベルにあることをあらためて証明した。新潟は23日のホームでの横浜FC戦で3-1と快勝した。1-1の後半17分、MF高木の右CKをDF渡辺がニアサイドに飛び込み、頭で合わせた。CKにアシストが付いた得点は今季4点目。リーグ全体でも鹿島の6点に次ぎ、優勝を争う神戸の4点と並び2位タイだ。

そのゴール数の多さが示すように、CKの攻撃パターンはJ1でも屈指といえる。ただ、今回のようにCKをピンポイントで合わせたゴールは6月3日の湘南戦(2-2)以来、12試合ぶりだった。シーズン序盤戦はMF伊藤がCKから2アシストを記録。そのキッカーがベルギー1部シントトロイデンに移籍した後は結果が出ていなかった。だが高精度のプレースキックを武器とする高木がけがから復帰。今後は再構築された連係に期待が高まる。

J1初ゴールとなった渡辺は「新潟出身なので、この街に特別な思いがあるのでうれしい」と話し、続けて「入るポイントは決められていた。そこに(高木が)精度の高いキックを送ってくれた。あとは合わせるだけだった」と言う。

J2時代の昨季もデザインされたCKから何度も停滞感を打ち破った。今回はMF秋山がニアサイドに走り込んだ背後に、渡辺が飛び込んだ形だった。残り6試合もCKの好機をどう生かしていくか。その成否が勝負の鍵を握りそうだ。【石川秀和】

後半17分に勝ち越し点を決めた新潟・渡辺
後半17分に勝ち越し点を決めた新潟・渡辺