J1清水エスパルスの育成組織は、ゲタを使って選手の運動能力の向上に取り組んでいる。このほど、1本歯のゲタを活用した独自のトレーニング法を提供する「GETTA(京都市)」との共同プロジェクトを立ち上げた。

対象はジュニア(小学生年代)の選手たちで、年間60足がクラブに提供される。近年の子どもたちは、体を動かして遊ぶ機会が減少。幼少期からのさまざまな遊びの中で、自然と養われる基本的な運動能力が低下気味であることが、今回の取り組みの背景にある。清水OBの森岡隆三アカデミーヘッドオブコーチング(45)は「近年のサッカー界は、足の速さや体の強さ、バランス感覚など、基本的なアスリート能力の高さが求められている」と指摘する。

ジュニアの選手たちは、アスリート向けに開発された専用のゲタを履いて、足元が不安定な状態でトレーニングを積む。森岡氏は「体のバランスを保ち、強く地面をつかむ能力が養われる。小さい頃から取り組むことで、より高い効果があると思う」と話した。

今後は年間数回のフィジカルテストなどを実施。計測したデータを分析し、新たなトレーニング方法の確立を目指す。クラブの未来を担う卵たちが「ゲタトレーニング」で、さらなる飛躍を目指す。【古地真隆】