北海道コンサドーレ札幌MFチャナティップ(27)が24日ベガルタ仙台戦でJ1通算100試合目の出場を達成した。

東南アジア人選手としては初の快挙だ。来日5年目。彼は東南アジアのサッカー少年たちの希望だ。

17年夏に札幌に加入した。身長158センチのドリブラーは、当時「タイのメッシ」と呼ばれ、注目を集めた。そう言えば最近はこの異名を耳にする機会も減った気がする。札幌ではレギュラーに定着。プレーで存在感を見せた。18年にJリーグベストイレブンに選出された。「タイのチャナティップ」というポジションをJリーグで確立した証しだろう。

成功するため、生活から順応する努力をしていたことも忘れてはならない。日本の文化は積極的に理解しようとした。においが苦手だった納豆を克服し、「栄養があるから」と毎日食べるようになった。車は自ら運転して札幌市内のカフェ巡りをする。最初は「タイと変わらない」と世界共通のスターバックスにばかり通っていたが、お気に入りの地元のカフェを見つけるようになった。日本語もどんどん覚えた。今では報道陣の質問に通訳を待たずに答えたり、うなずいたりすることもあるほど。愛くるしいキャラクターで人気を呼ぶ。

チャナティップの日本での活躍もあり、タイ人Jリーガーは増えた。過去、現在合わせてJリーグ登録のタイ人選手は13人。タイではJリーグは人気コンテンツだ。チャナティップは言う。「Jリーグでプレーするのはずっと子どものころから夢だった。これからJリーグに行きたい子どもたちがどんどん来る。自分がいい見本としてできればいい」。パイオニアとしての自覚は十分。さらなる偉業達成に期待したい。ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。タイには大学時代の旅行と19年札幌のキャンプ取材での2度訪れたことがある。