<高校サッカー:九州国際大付4-0秋田商>◇12月31日◇1回戦◇埼玉

 4年ぶり2度目出場の九州国際大付(福岡)が「永井2世」こと、FW田口光樹(2年)のハットトリックの活躍などで秋田商(秋田)を4-0で破り2回戦に進んだ。名古屋入りするOBでU-21日本代表(21歳以下)FW永井謙佑(21=福岡大)への憧れもあり同校に入学した韋駄天(いだてん)が夢舞台で躍動した。

 憧れの大先輩、永井をいきなり超えてみせた。FW田口は後半8分に途中出場し、50メートル6秒フラットの俊足を生かしてわずか2分間で2得点すると勢いは止まらない。3点リードの後半40分だった。ゴールエリアに絶妙のタイミングで走り込むと秋田商のDFがカバーしきれず完全フリーに。「前がフリーでコースに流し込んだ」と余裕があった。何の障害もなくMF竹本のパスを右足で落ち着いて決めるだけだった。今年のプリンスリーグ九州(2部)以来2度目のハットトリックを決めた瞬間、右手でガッツポーズして大喜び。1点目後は、12月中旬に子供が誕生した福永キーパーコーチのためにイレブンで「ゆりかごダンス」も披露。波に乗っていた。

 06年度全国選手権で初戦に2得点した永井を上回る快挙に「ビックリしました。こんなに簡単に(3点)入るのかなと思った。永井先輩のような活躍が目標。次もどんどんゴールを決めていきたい」と声をはずませた。杉山公一監督(38)によると「1年生の時の能力は永井を超えていた。どこまで大化けするかという期待はある」という。中学時に所属したアミスターFC八幡で当時監督を務めていた猪原泰幸さん(48)も「確実な得点感覚はすごかった」。スタンドで見守った関係者の期待を裏切らない活躍に、誰もが目を見張った。

 永井との面識はない。だが、永井が高校3年時に出場した選手権をテレビで見て足の速さと俊敏な動きに驚き、それ以来憧れの存在になったという。それが九州国際大付入学のきっかけにもなった。今でも永井のプレーはビデオでチェックもするという。将来はJリーグを得て、海外でプレーすることを目指す。「得点王を目指したい」。韋駄天FWは豪快に誓った。【菊川光一】