【江陰(中国)15日=小杉舞】東京五輪世代のU-21日本代表が今日16日のU-23アジア選手権1次リーグ最終戦で、1位突破を懸けて北朝鮮と対戦する。既に8強入りを決めており、引き分け以上なら首位通過となり、準々決勝を同じ試合会場で迎えられる。森保一監督(49)は13日の第2戦タイ戦から先発を総替えし、全員にチャンスを与える方針。招集メンバー最年少でただ1人の高校生MF伊藤洋輝(18=ジュビロ磐田)は先発が濃厚で、猛アピールを誓った。

 大気汚染の影響で視界が悪い中、最年少の伊藤は黙々と戦術を確認した。第3戦で初めて先発のチャンスが回ってくる。現地は寒波が抜け、気温13度と暖かくなった。初々しい18歳は「やっと(出番)ですね。自分の良さをしっかり出したい。最年少だけど、ピッチに入ったら最年少に見えるようなプレーはしない」と堂々と言い切った。

 身長188センチ、左利きのの大型ボランチだ。高校3年ながら昨季、プロ契約を締結。2種登録選手で公式戦の出番はなかったが、トップチームに同行して得たものは大きい。特に同じ左利きの元日本代表MF中村俊輔には居残り練習をつき合ってもらい、昼食に連れて行ってもらうなど影響を受けてきた。

 「一緒に生活して学ぶものは多い。自分が(パリサンジェルマンの元イタリア代表MF)チアゴ・モッタに似ているといわれてうれしかった」

 8強入りがチームの目標ではない。11人を総替えする見込みの森保監督も「選手たちには『自分でチャンスをつかみ取って出ろ、ご褒美で試合には出すことはない』と言っている。初先発の選手もいるけど、思い切ってやって欲しい」と先の戦いを見据える。1位通過が懸かる大切な一戦。「決勝トーナメントでも使ってもらえるようなプレーを見せたい」と伊藤は、空に漂うモヤも吹き飛ばすような活躍を目指す。

 ◆伊藤洋輝(いとう・ひろき)1999年(平11)5月12日、静岡・浜松市生まれ。磐田ジュニアユースからユースに昇格し、16年から2種登録。高3の昨年7月にプロ契約を締結し、トップチームに同行している。各世代別代表に選出される期待の大型ボランチ。188センチ、79キロ。