なでしこジャパンが決勝でオーストラリアを1-0で破り、2大会連続2度目の優勝を遂げた。後半39分に途中出場のFW横山久美(24)が決勝点を奪った。

 全5試合にフル出場してチームをけん引した主将のDF熊谷紗希(27)は「しのいで、しのいで、本当に1本待って。前半は特に前の3、4人でシュートの形までいけた。途中から入った選手がいい時間帯にとってくれて。総力だなと。良かったです」と振り返った。

 今後の課題も口にし、「欧米チームと戦う経験をしながらチームとしてのレベルアップができれば。このままじゃ絶対無理。チームとしても個人としてもやることはたくさんある」と危機感も募らせた。

 MF阪口夢穂(30)は「チームとして結果が出たのは自信になる。すごく良かったと思う。でも内容を見るとオーストラリアの方が内容が全然上。まだまだ自分たちには課題がある。結果は自信になるし、喜んでいいことだけど、それと裏腹にという気持ちはある」と冷静に振り返った。

 ここからワールドカップ本番までの1年については「アジア杯で優勝したが、ワールドカップでいい成績をとれるかといったらそうは思わない。世界にはまだまだオーストラリアのようなチームがごろごろといる。そういうチームに少しでも食らい付いていくためには個の力を上げるのはもちろんだが、課題が結構いっぱいある」と話した。

 女子サッカー最高峰ともいわれる米女子リーグのシアトル・レインでプレーするFW川澄奈穂美(32)も同様の意見を口にし「(今大会で)あんまり自分自身も試合に出てないので、選手の立場からそういうことを言うのは難しい部分もありますけど、やっぱり世界各国を見たり、実際に対戦したりという意味では、まだまだ足りない部分の方が多いです」と話した。

 それでも優勝を経験することの価値はあるといい「自分たちがやってきていることを1つの結果として出すということは自信になりますし、高倉監督になって初めての本番の大会で優勝という形に残せてよかった。それぞれが自チームに帰って修正するところはして、レベルアップしてまた集まれたらいいかなと思います」と話した。