2人の「五輪エース」が、森保ジャパンの両翼で輝きを放った。リオ・オリンピック(五輪)で背番号「10」を背負った左MFの中島翔哉(24)と、東京五輪のエース候補の右MF堂安律(20)だ。

中島は五輪と同じ「10」を背負い2得点に絡んだ。前半16分、右CKから先制点をお膳立てし、後半21分には南野の得点の起点となった。167センチと小兵ながら、ポルトガルで磨いた技術で好機をつくった。

試合後、「すごく幸せにサッカーができた」と充実した表情を浮かべ「背番号10はサッカーでは特別な番号。それを含めて楽しかった」と振り返った。2点目は中島-遠藤-南野とリオ五輪出場メンバーでゴールにつなげ「五輪でずっとやっていたので自然と。(遠藤が)いい動きをしたので、クロスやシュートでなくパスを入れました」と胸を張った。

W杯ロシア大会は、登録メンバーに名を連ねたが最後の23人に残れなかった。だが、今回の合宿でその悔しさを口にしたことは1度もない。今後、W杯ロシア大会に出場したMF原口、宇佐美らがライバルとして立ちはだかる。だが「楽しくサッカーができればいいです」と冷静だ。「他にもいい選手がたくさんいる。今回のメンバーとまた(代表で)会えるように、お互い頑張っていければ」と淡々と話した。

リオの「10」に負けない輝きを放ったのが、堂安だ。後半14分、FW小林のスルーパスに抜けだし、GKと1対1に。後半19分にも、こぼれ球に反応し右足シュートを放った。ネットは揺らせなかったが、古巣のG大阪のホームスタジアムで豊かな将来性を感じさせた。それでも「点取れんかったからもってないなと。あれだけ、結果結果と口にしていたのにできなかったから悔しいです」と厳しかった。ただ東京五輪世代一番乗りでA代表デビューし「20歳で、できない経験をさせてもらった。(個人の)結果は残念だったけど、チームも勝てたしいい姿は見せられたと思う」。若き両翼の台頭が、森保ジャパンの明るい未来への灯火になりそうだ。【岩田千代巳】