サッカー日本代表も「ワン・フォー・オール オール・フォー・ワン」の精神で行く。

22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選モンゴル戦(10日、埼玉)とタジキスタン戦(15日、ドゥシャンベ)へ向け、7日に埼玉県内で合宿を開始した。森保一監督(51)はW杯で日本列島を熱狂させているラグビー日本代表の姿に感服。過密日程を組織力で乗り切り、格下からきっちり2連勝をつかむ。

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練習前、森保監督が選手の前に歩み出た。各自の顔をしっかり見回しながら「個人のベストとチームのベストを、今できるベストをつくっていこう」と呼びかけた。集合日からモンゴル戦まで中2日。準備期間は通常よりも1日少ない。帰国から中1日で試合当日を迎える選手もいるなど高難度の調整を強いられるが「難しい状況の中とか想定外の中で乗り越えていくのはチーム力。何も心配していないです」と断言した。

同じく日の丸を背負う男たちの戦いざまが脳裏に焼き付いている。W杯で快進撃を続けるラグビー日本代表戦を映すテレビ画面に、視線を奪われた。「1つのボールをみんなでつないでいく、みんなで仲間のために戦うというか、お互いを生かしていくところは我々もやっていきたいところ」。ただ勝利のために、時には自己を犠牲にもし、献身的に動き、仲間を生かす。「日本の組織力を生かして世界に勝っていけるようにしたいと、ラグビーの試合を見ながら思いました」。競技は違えど、統制されたチーム力を武器に世界と渡り歩く戦いぶりが、自身の指針に重なった。

だからこそ、格下相手にも隙は見せない。「選手の状態を見ながら、選手選考と戦いを考えていかないといけない」と妥協なく最善を探る。「チームのために走って戦うということ、選手たちにハードワークをしてもらえるように準備したい」。森保ジャパンが強固なスクラムを組み、一枚岩で2次予選の全勝突破へと前進していく。【浜本卓也】