日本代表が計画している6月11日の国際親善試合、セルビア戦が中止になる可能性があることが10日、分かった。6日の技術委員会で、反町康治委員長が各委員に伝えたもの。緊急事態宣言が今月末まで延長されたこともあり、いまだ政府の許可が下りていない。ストイコビッチ監督率いるセルビアと合意した強化試合は、9月のW杯カタール大会アジア最終予選に向けて重要な一戦。政府の許可が下りず中止となれば、強化には痛手となりそうだ。

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ポイチ(森保)とピクシー(ストイコビッチ)のJ優勝監督同士の対決が、中止される可能性が出てきた。国際親善試合は6月3日と11日に国内で実施予定。同11日にはストイコビッチ監督率いるセルビア戦が組まれている。日本協会の反町技術委員長は6日の同委員会で「緊急事態宣言が延びそうで、6月に予定しているキリンチャレンジ杯は実施できなくなることもある。まだ政府から許可が下りてない。同時期のW杯アジア2次予選は予定通り実施する予定です」と伝えた。

海外チームが来日する際、2週間の隔離を免除する特別入国許可が政府から下りないと、試合は実施できない。日本協会は約1カ月前からスポーツ庁や法務省などを粘り強く説得している。しかし、政府サイドからは「強化試合は、W杯予選に比べてプライオリティ(優先順位)が低い。緊急事態宣言下での判断はさらにハードルが高くなるし、他の種目とのバランスもある」などとの趣旨の返答があったようだ。

欧州チームと国内で強化試合を実施するのは5年ぶり。しかもセルビアを率いるのが、名古屋の監督としてJリーグ優勝経験のあるストイコビッチ監督で、注目度は上がっていた。A代表の2次予選突破は確実な状況。日本協会としては、9月のW杯最終予選に向けて優先順位は高い。しかし、政府の見解とは相違があり、日本協会の思いは伝わっていない。

一方6月には、東京五輪を目指すU-24日本代表も、海外2チームと国内で強化試合を予定。こちらは地元五輪に向けた強化試合ということで、優先順位が高いとの判断で、実施できる見込みだ。