「第2の川島」を目指して-。日本代表GKシュミット・ダニエル(30)が、アピールに成功した。圧巻は0-0の後半38分ごろ。エクアドルに与えたPKだった。完璧にコースを狙い読み。自身から見て、右に横っ跳び。雄たけびを上げた。直後の同40分には、ゴール右隅へのヘディングをポストに体をぶつけながら、防いだ。「何とか0で抑えられて、PKも止められて良かった」。身長197センチが躍動した。

米国人の父と日本人の母の間に生まれた米国出身。前半からノリに乗っていた。同ロスタイムには、CKからヘディングを合わされたが、右手1本でかき出した。試合を通じて、飛び出した再三のビッグセーブ。SNSでは「これ南アW杯前の川島みたいじゃん」などと、10年南アフリカW杯で、直前に正GKの座を奪った川島を思い浮かべる人も多かった。

本人も、こんな光景を待ち望んでいた。先発した6月14日のキリン杯決勝・チュニジア戦は、ミス絡みで3失点で敗北。苦しい時間を過ごしたからこそ、この日を前に「決定機を止めるところ、あるか分からないですけど、そういうピンチを止めるっていうところとかはなかなかお見せできていないと思うので、そういうところは見せられるなら見せていきたい」と静かに闘志を燃やしていた。

W杯本番でも、最後の壁として、日本を守り抜く。「やっぱりスペインとか強豪に勝つのは最後の部分でキーパーがいいセーブをするっていうのは絶対に必要な部分」。守護神・権田が米国戦で背中を打撲し、負傷離脱。同試合の後半から途中出場し、無失点を続ける「シュミット・ダニエル」は「まずはチームの結果を出すこと、チームの順位を少しでも上に押し上げることで、勝つ集団をつくっていくこと。それが代表の活動につながる。それを意識して頑張っていきたい」。大先輩・川島のように、アピールを続ける。【栗田尚樹】

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