ジェフユナイテッド市原・千葉レディースを初優勝に導く決勝点は、MF瀬戸口梢(25)が決めた。

 後半ロスタイムも2分近くが経過。中央左寄りに切り込むと「最後のプレーだと思い、シュートを打たなかったら後悔する」と、左足を振り抜いた。ゴール右隅に決まったのを見届けると、チームメートと歓喜の輪をつくった。約2分後に試合終了のホイッスルを聞き届けると、再び喜びを爆発させた。

 度重なる悔しさが、この日にかける強い思いとなった。昨年、初めてコマを進めた決勝で、日テレに0-4と大敗した。瀬戸口は「決勝で0-4は、やってはいけないこと」と話す。決勝に進む前に破ってきたチームの思いも、応援し続けてくれたサポーターの思いも、裏切ってしまったような気持ちが残った。この日の決勝で当たった浦和レッズレディースは、今季リーグ戦で敗れた悔しさを味わわされた相手でもあった。そんな中で迎えた決勝点の場面を振り返った瀬戸口は「あそこまで走るのもきつかったけど、カバーに備えてくれた選手もいたし、こぼれ球に備えて詰めてくれていた選手もいた。みんなで取ったゴール」と、かみしめながら話した。

 これまでは皇后杯全日本女子選手権でも2012年の準優勝が最高成績で、1部リーグでは例年、優勝争いに絡めず、今季も10チーム中6位に位置している。瀬戸口は「初めてのタイトルの勢いをリーグ戦にもつなげていきたい」と、リーグ戦での今後の巻き返しを誓っていた。