湘南ベルマーレMF菊地俊介(25)が、右太ももの故障から4カ月ぶりに復帰したツエーゲン金沢戦でゴールを決めた。先制点と2点目の起点にもなり、チームの4得点中、3得点に絡む大活躍で復帰戦を飾った。

 まず前半1分、FW山田直輝(27)がキックオフしたボールを受けたMF藤田征也とワンツーパスを交換すると、藤田の右クロスを山田が右足で決めて先制。同32分には、MF石川俊輝からのパスを受けると、前進した山田に流し、その山田のラストパスを、MF秋野央樹(22)が左足で決めた。

 そして後半9分、右CKを中央で待ち受けたFW山田直輝(27)が落としたボールに反応し、左足で押し込んだ。決めた次の瞬間、両手を左右に広げてダッシュをすると、チームメートの歓喜の渦に包まれた。「目の前にボールが転がってきた。ラッキーなゴールですけど1点は1点。すごく自信になります。1点目も2点目も自分を経由して生まれたゴール。いい形だった。残り7試合、チームが勝つためのゴールを決めたい」と笑みを浮かべた。

 笑みの裏に、苦しい4カ月があった。0-1で敗れた5月27日のモンテディオ山形戦後、右太ももの違和感から戦列を離れた。「戻れそうで戻れなかったり、復帰しかけて、また痛みが出たりを繰り返してしまって…なかなか復帰できなかった」。J1で戦った16年も3月24日の練習中に右ひざを痛め、前十字靱帯(じんたい)損傷の重傷を負った。同10月の大宮戦で復帰も、その試合に敗れJ2降格が決定。ここ2季、ケガに苦しみ続けた。

 捲土(けんど)重来を期した今季は、キャプテンのFW高山薫が3月25日のジェフユナイテッド千葉戦で右ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷し、全治8カ月の診断を受け戦線を離脱。それを受けて、曹貴裁監督(48)からキャプテンになるよう命じられたが、今度は自らが長期離脱に追い込まれた。

 曹監督は会見で「俊介は、このチームと一緒に苦楽をともにして、昨年はほとんどやれなかった。今年もケガが治りきらない中で、1番、辛かったのは彼と、奥様と家族だったと思う。俊介に対しても、ご家族に対しても『良かったね』と声をかけてあげたい」と、菊地と17年元日に結婚した妻をねぎらった。

 菊地は、監督の言葉を伝え聞き「結婚もして、嫁さんに支えてもらっている。復帰戦でゴールを取れたので感謝しています」と妻に感謝のメッセージを送った。【村上幸将】