清水エスパルスとジュビロ磐田のプライドがぶつかり合う通算57回目の静岡ダービーが、今日14日午後2時、アイスタで開催される。両チームは13日、最終調整。清水の小林伸二監督(57)は、サッカー王国清水の威信を懸けて戦う姿勢を示した。

 清水三保グラウンドのスタンド、フェンスは、サポーターが早朝から掲げた横断幕で埋め尽くされた。「戦いはもう始まっている」「プライドをかけて闘え!」。いつもと違う雰囲気で、小林監督は期待を感じ取っていた。「応援に包まれている感じがした。結果を出さないといけないとあらためて感じた」。

 試合3日前の11日夜、ビデオチェックなどを終え、静岡市内のそば店に入った。隣のテーブルにいた中高年の女性1人、男性2人のグループが清水の話で盛り上がっていた。「今年は弱い。失点が多すぎるよ。昔は強かったんだけどね」。そばの味が分からないほど怒りを覚えたが、我慢した。「絶対に負けんぞ。磐田に勝たなアカン」。闘志に火が付いた。

 選手のモチベーションが高いだけに、プレッシャーで硬くなる可能性もある。指揮官は「結果の責任を取るのは監督。思い切ってプレーしてほしい」と選手に伝えた。アイスタ(日本平、アウスタ)での静岡ダービーは、2005年以降8戦負けなしのデータもある。チケットは完売で、サポーターの後押しも受ける。「選手はすごく意欲的に取り組んでくれた。積極的な試合の入りをして、戦えるゲームを見せたい」。清水の誇りを胸に戦う。【保坂恭子】